『チソン、愛してるよ。』

私は、うつ病を発症して、その後、双極性障害Ⅱ型と診断されるのですが、うつ病の療養中は正に人生のどん底でした。ずっと死を意識していました。今でも希死念慮があります。その当時は将来の不安に怯え、今の不運を嘆き、早く楽になりたいと切望する中で、ひたすら読書で気を紛らわしていました。それは楽しむものではなく、乱読が精一杯の精神状況でした。そんな失意の中で見つけたのがこの本です。女優で女子大生だった彼女は、ある日、交通事故で全身大やけどを負い、焼け焦げた皮膚の移植と麻痺した指の切断手術を受けることになります。その後の彼女への心無い言葉の数々。はかり知れない涙の数。苦しさ、悲しさ、想像を絶する苦難を経験した彼女とは。一読をお勧めします。