本や漫画を読むことは、高度な脳の処理を必要とすることだから
私は双極とADHD、ASD傾向を併発しています。皆さんは漫画や小説を読めなくなったことはありませんか? 漫画や小説は情報量がとても多く、その上発達の影響により、集中できない環境などに身を置いているとさらに読めなくなります。
うつ状態の時にオススメされた漫画がありました。サークルの部室で、人も多く雑音も多い場所で、そもそも集中できる環境ではありませんでしたが、面白いなら読んでみようと思いました。しかし、最初の2ページから先に進めませんでした。読んでも読んでも何度ページをめくって読み直しても、世界観がまるきり入ってきませんでした。見開き左側の3ページ目に到達することすらできないのです。
「ごめん、疲れててまるで読めない」と本を返す私に「興味ないならいいよ」と不満げに言う友人。「疲れてる時こそ漫画の方が読めるじゃん」と言う別の友人。皆さんの中に、漫画すら、小説すら読めないなんて……と自分を責めてしまう人はいませんか。
読めなくていいんです。仕方ないんです。生きてるだけで、生活するだけで疲れてるんですから、これ以上脳を無理に動かそうとしなくていいんです。
漫画は、絵と文字と空間の紐付けをしなければ読むことができません。小説は文字から得た情報から想像で補完しながら読み進めるものが多い場合もあります。どちらも高度な脳の処理を必要とします。うつ状態で気分が落ち込んでいたり、処理速度が落ちてしまっている時に読める代物ではない、そう考えていいんじゃないかと思います。どうか、今読めないことを責めないでください。
私は小学生、中学生の頃は暇さえあれば小説を読んでいました。漫画も大好きで、何度も何度も読んでいました。けれど、今は読めないことが多いです。読む気力も起きない、開いても読み進められない、すぐ閉じてしまうことに自己嫌悪を感じていました。
でも、漫画って視覚情報の時点で絵・文字・空間の情報があり、それが毎回コマごとに発生します。とても膨大な情報量です。バラバラのその情報を脳の中で瞬時に組み立てれば1つの情報になりますが、それを全てのコマで行ない、なおかつ先のストーリーに必要な部分は記憶に留めなければなりません。
小説も、脳内でちょうどいい情報量になるように文字列から小説の場面に必要な情報をピックアップして、それ以外を削って保有しながら新たな情報を処理して……ってやってるんだと思います。処理速度落ちてるのに同時処理しなきゃいけないものが漫画も小説も多いんです。そんなことを想像したら、脳みそもっと休んで!と思ってしまいました。そして、読める時に読めばいいやと思うようになりました。
もし苦しんでいる人がいれば、その助けになることを願って。
八尋颯貴
性別:身体:女性(Aジェンダー)
年齢:20代前半
診断名:双極性感情障害
障害等級:障害者手帳3級
現在の就労状況:学生(クローズドで就活中)
現在の家庭環境:独身一人暮らし
併発している他の傷病:ADHD、ASD傾向、性別違和
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