リーマス(炭酸リチウム)は結構古い薬なのに現役だそうで、どこかで聞いた話だと、6割ほどの人に効果があるということで、他の薬が3割とかであることに比べると、かなり効果が期待できる薬ではあると思います。ただ、この薬の調整で色々苦労するところがあるので、それを書こうかなと思います。普通、薬には治療域と中毒域というものがあります。治療域というのは薬が効く濃度の範囲のことをいいます。一方、中毒域とは、薬の飲み過ぎなどで濃度が濃くなりすぎてしまい、中毒症状が出てしまうことをいいます。
よく、腹痛の薬を一錠多く飲んじゃった、みたいなことありますよね。でも、特に目立った問題が起きることはあまりないと思います。これは、治療域が広いので、中毒域と離れているためです。
ところが、リーマスは治療域と中毒域が非常に近くなっています。「さっき飲んだかな?」と思って二重に飲んでしまうとリチウム中毒になるほど危険です(救急車を呼んでいいと思います)。
これを防ぐために、リーマスの投与を開始する時は少量から開始します。なぜかというと、中毒の問題もありますが、体質によって同じ量のリーマスを投与しても、どれくらいの濃度になるかがわからないからです。その後、徐々に増量していったり減量したりすることで、いい感じに安定して治療域に収まる濃度を探っていくことになります。
濃度が安定した後も、体質の変化や(腎臓代謝の薬なので)腎臓の値をチェックするために、一定期間ごとに血液検査を行う必要があります。ちなみに、この腎臓代謝と濃度の問題で、血液が濃くなりすぎるのは非常に良くないので、水分は十分に採らなければいけません…が、忘れていたり、夏だとそのつもりがなくても汗をかいていたり、トイレを我慢しなければならないかも(バスとか)といったシーンでは、どうしても水分をとりたくない…となりますが、腎臓のダメージと隣合わせなんですよね…。
あと、一度特殊な症状が出たことがあります。濃度を測定したとき、中毒域すれすれというわけでもなく、数値的には安定しているはずの時、手の震え(自分の名前を書くのがつらい)とか細かい作業ができないといったリーマスの副作用が強く出ていました。たまたま行った内科の先生が心療内科もやっていて、そんな雑談をしていたら「リーマスの濃度は少し低いくらいでいいのにねえ」なんて話もしていましたが…。
次回病院に行った時に先生に相談し、「値はいい感じに治療域なんですが、それなら少し量を減らしてみましょうか」ということになり、結果的に効果は出たまま、手の震えなどは収まりました。血液検査で治療域だからといって、必ずしも安心できるわけではないようです。考えてみれば、ひとりひとり身体は違うのだから当たり前なのかもしれません。先生が「安定しています」と言っても、異常を感じたら遠慮なく言った方がいいと思います。もしあのまま手が震えていたら、書類を書く仕事もできないし、市役所などで文字を書く時も恥だし、長文を書くのは耐えられないしで、あの時は結構な絶望感を感じていたと思います。(カラオケ行ったときに「名前を書いてください」と言われただけで嫌な思いをするわけですし…。)
寝る時も水分をとってから…といいますよね(健康な人でも)。夏でもコップ二杯分の汗をかくそうですし。これも頻繁にトイレにいくのが嫌なんですが…。
コウ
○性別:男性
○年齢:30代
○診断名:混合状態らしき周期があるのでⅠ型だと思われる
○障害等級:障害者手帳3級
○家庭環境:一人暮らし(実家に祖母と両親が健在。結婚して家を出た兄が一人。)
○併発している他の傷病:不安障害。ADHDのテストでは「違うともそうだとも断定できない結果」とのこと。
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