躁や鬱の時にする大きな決断は信頼できる周囲と相談してから

私の場合、抑うつが酷い時は、何もせず一日中ベッドにいます。当然生きた心地もしません。が、一番苦痛なのは、フラットに戻った時です。元の生活に戻るのが怖くて仕方ありませんでした。

気持ちが大きく揺れ動いている時、得てして自分の判断というのは当てにできません。事実を感情というフィルターに通してとらえてしまうからだと思います。

休学した時、学業に復帰するかが深刻な悩みでした。いっそ大学を辞めてフリーターになってやると言って、父と喧嘩したこともあります。

けれども、主治医が復帰に賛成したため、元に戻れる状態にある可能性は高い。そう信じました。それにもし、復帰してうまくいかなくても、その時は、「医者の判断が間違っていた」と思えば良いと割り切ってみました。

今は元気に大学に通って研究をしています。

けれども、本当に復帰するのが辛いのなら、その旨を主治医に伝えて、こちらから説得する・説得してもらうことがベターではないかな、と思います。

反対に、どうしても働きたいのに主治医に止められるケースもあると思います。これは躁状態というフィルターを通して「働きたい気持ち」がむくむくと湧き上がっている状態です。

主治医はそれが分かっているからこそ反対するのです。特に躁状態の失敗は人間関係や社会生活を破綻させ、悲惨な未来を招く可能性があります。多額の借金、暴言暴力、そして入院などです。

加えて、躁状態を乗り越えてもうつ状態が待っています。エネルギーが切れてうつ状態になれば仕事は破綻します。躁の時のペースでうつの時に仕事ができないのは、皆さんもよくお分かりだと思います。

うつの時も躁の時も自分の判断は、フィルターを通して歪められていることを意識するべきです。それを分かったうえで、信頼できる周囲と相談することが大切です。