『双極性障害~その波の向こう~』

混合状態の記述に非常に共感した書籍(kindleのみ入手可)を紹介します。「1.c. 混合状態とは」より、医師である著者自身の体験を以下に引用します。

「そのイライラというのは大変強いもので、怒りを引き起こす薬物が意思に反して急激に大量投与されたかのような感じです。一般のアンガーマネジメント法などで自分でコントロールしようと思っても、それ単独では無理なのではないかと思います。」

昨年3ヵ月に渡る軽躁エピソードにおいて私が経験した、破壊衝動というか、物理的に何かをめちゃくちゃにしたくなると言ったいわば激情が、まさにこれだと思いました。

私は15年ほど気分変調症の診断で抗うつ薬+リチウム増強療法を受けていました。イライラが起きることは若い頃はそれ程無く、ベンゾジアゼピン系の頓服で済んでいましたが、次第に辛さが増して行き、アンガーマネジメントについても随分調べました。近年ではコントミン(クロルプロマジン)でないと収まらなくなってきていました。

ADHDの診断を機に転院し、それまでの処方内容からしても気分変調症では無く双極性Ⅱ型障害だと言われました。

先程書いた軽躁(混合状態)は転院後に起きたのですが、子から見れば温厚だった父が突然暴れ出す怖い人になり、家内からは若年性痴呆を疑われ、上司は業務が回っていないことを問題視しているという、周囲からは明らかにおかしい状態でした。しかし当の本人は時々イライラや怒りに悩まされるものの他には何も問題ないと思っていました。

ジプレキサ(オランザピン)、セロクエル(クエチアピン)が処方されなんとか乗り越えましたが、そのさらに3ヵ月後くらいに抑鬱の波が来て現在休職中です。

ご紹介した本は医師が書いていることもあり読みづらいかもしれませんが、当事者ならではの記述が随所にあり、お勧めします。