双極性障害という診断が下るまでに5年を要した

今から5年前、私は双極性障害と診断されました。そもそもの始まりは10年前で、大うつ病での発症でした。2種類の抗うつ薬を最大量服用していました。最初の診断から1年程で躁転。買い物への執着が始まりました。それでも精神科医には気づいてもらえず、ただの抗うつ薬による躁転だと言われました。

5年前、抗うつ薬から離脱し、内服もほとんどしないようになっていた時期です。家庭の事情で、実家で半年ほど暮らすことになり、母親の言うこと、病気に批判的で無理解な態度にイライラし、大喧嘩。その翌日には急降下して、死にたい気持ちを押さえきれず、首を吊り掛けたというのが2回起こり、それを実家近くの精神科で話したら、双極性Ⅱ型の診断がくだされました。

気分安定薬のリチウムと並行して、SSRIのパキシル(パロキセチン)が処方されました。その頃はそれで治まり、この何年かはボチボチと仕事もしていました。仕事を辞めなきゃいけないくらい、他人の目を気にしすぎたりして…。それで、仕事も転々としました。体力も続かないし、続けることが難しかった。躁の時は調子よく働いていても、鬱になると集中力や記憶力が減退して仕事に支障が出る…。そんな日々でした。

最後の仕事を辞めなくちゃならなくなった時、やっと双極性障害と向き合うことができました。自分の症状や行動パターンを振り返ってみたり、無理しないで働ける方法を探しました。双極は診断が難しいようで、うつだと診断されていた人が双極と診断されるまで平均で5年から10年ほどかかるそうです。私もその一人でした。

一番最後の仕事を辞めたきっかけが、躁鬱の混合状態が続き、体力が持たなかったから、だと思います。かなりのラピッドサイクラーになっていたことを自覚し、ずーっと飲んでいたパキシルをやめたいと、主治医に告げました。双極の治療の中心は気分安定薬で、抗うつ薬と併用すると、躁転する確率が高くなるからです。パキシルを減らし始めてから、躁でひどくて大変だということは少なくなりました。

双極性障害についてはまだまだ注目を集めだしたところで、診断されてはいないけど、本当は双極だと言う人はかなり多いと思います。躁のエピソードがないか振り返り、あれば主治医に話すこと、それが適切な治療のスタートになるのかと思います。

私の父は仕事の関係で、うつ、双極、ひきこもり、依存性などの理解を広めることと手助けできる人々の育成のために全国を回り講演をしています。その父でも、私の双極は分からなかったようです。ただ、大うつ→新型うつになり、躁転した時に買い物依存があり、依存性なのだと。新型うつと双極の鬱症状がかなり似ているためです。セカンドオピニオンも視野に入れ、適切な治療を受けてもらいたいです。それで楽になるのですから。