主診断と関連障害、二次障害、併せて「スペクトラム」という概念について

私自身、30歳前後に「抑うつ状態」と診断を受け、以降仕事をしながらもストレスに晒される度にうつ症状を繰り返し何度かの休職を余儀なくされた挙句、どうにか出会った光トポグラフィーによって10数年の時を経て主診断を得ました。しかもその後も、様々な症状所見からドクターから社交不安障害(SAD)や旧アスペルガー傾向(現在は診断基準にはない名称です)と診断書に書かれるに至りました。

昨今多い、いわゆる「大人の発達障害」について言及されるまで研究や認知も進んでおり、そういう中において表題にある「スペクトラム」という考え方が実に重要になってきているようです。つまり、このスペクトラムという考え方はその傾向を濃淡に見立てて、健常な状態から重度な状態までを必ずしも障害か疾患かと断定しない段階的判断の考え方です。だからこそ、大人になって「実はそういう傾向があるのではないか」という判断が出てくる訳で、かつ「障害というまでのレベルではないけど」という判断も出てくる訳です。

なので、双極性障害だと診断を受けている方も、ひょっとしたら他の傾向で困っていることもあるかもしれません。そういう時は積極的にドクターに相談されることをお勧めいたします。「みんなちがってみんないい」とは言いますが、社会を生きていく中で誰しも周囲の常識に合わせるのが困難なシーンがあると思います。それを共有できる社会を作っていければいいなと考えています。