鬱の時の家族との向き合い方

初めて鬱状態になった時には家族も驚いて、気晴らしにどこかに行こう、と温泉や海外旅行に連れて行ってくれました。皆さんもご存知の通り、双極性障害の鬱状態はエネルギー切れのようなものらしいので、ひたすら休養に専念するのが正しかったようです。旅行に行くのは大きな間違いだったということです。

私が経験した大きな鬱状態は、現在進行中のものを含めて4回ですが、回復に向けてできることは、ひたすら横になる以外手がなさそうです。というか、横になる以外にできることがありません。エネルギーの浪費を抑えて充電に努めるのが、私の中で唯一できることのようです。

とはいえ、私は単に会社員として金を稼ぐマシンではないので、「私個人の幸福」と「家族の幸福」「社会人としての責務」などで衝突が起きることもあります。例えば娘の何らかイベント(ピアノの発表会だったりスイミングの記録会だったり)があるとします。私としては一生に一度のかけがえのないイベントな訳で、ぜひその場に立ち会いたい訳です。一方、妻としては長い目で見て、私が今は家で寝ているのが最適解と考えたりする訳です。

すると「なんだとぉ!俺はお前らのATMか!」「そんなこと言ってないわよ!」など悪意に満ちた罵詈雑言の応酬が始まり、娘の潤んだ目を見てハッと正気に戻ります。先日もまさにそんなことがあり、翌日は寝た切りの重力魔法にやられた状態になりました。妻はほれみろと思うかもしれませんが、私としてもこれで復職が遅れようとも、休職リミットがなくなって解雇されても、負け惜しみもありますが悔いなく過ごしたいと思うのです。

こんな障害でいろんなことがあるからこそ、私として譲れないものを、強く持ちたいと思います。