50代で退職を余儀なくされてから社会福祉士を取得するまで

双極性障害Ⅱ型と診断される以前はうつ病を発症していた。今から3年前のことだった。その当時は勤続30年直前であったが退職を余儀なくされた。年齢も50歳を超え、再就職には難しい年齢であった。

悶々とする日々の中で、うつに関する事柄(服薬、再発、過ごし方、就労など)を朝から晩まで一日中ネットで探索していた。そして、漠然と就労を考えていた。年齢的に最後になるであろう再就職。クローズかオープンか、まだ判断がつかない時期だった。福祉業界であれば慢性的に人手不足なので、雇用される確率が高いのではないかと考えた。

しかし、福祉の現場は知らない。知っているのは介護関係の職場は定着率が非常に悪いこと、夜勤等が多く生活リズムが不規則になり体調が乱れやすいこと、給料が他の業界よりも低いこと、など。しかも新人であっても一人が担当する利用者は10人とも言われ、夜勤時には倍になるとも聞いた。定着率が悪いため負担増になる悪循環を招いているのだ。

そんな中、ネットである記事を見つけた。国家資格取得の第一歩となる動機の内容だ。私と同じ50代の会社員は勤務先でうつ病を発症して精神病院に入院したが、退院すると会社、財産、友人、そして家族、全てを失っていたという。これから生きる気力がないが、どのように生きていけばよいのかと言う相談内容だったと記憶している。

その質問の回答は、当面の策として、生活保護が受給できるかどうか確認して、生活保護が可能ならばまずそれを生活の基盤として、それから、ディケアや就労支援所に顔を出し生活リズムを整え、再就職と生きがいを見つけていきましょうとアドバイスしていた。

そして、最後に社会福祉士・精神保健福祉士と記載していたので、私もこのように何か人の役に立ちたいと感じたことが、社会福祉士受験の動機であった。経済的なこと年齢的なこと、検討することも多々あったが、この機会を逃すともうこの道には行かないと思って即行動して福祉系大学に編入学した。

ちなみに福祉系資格を取得する方法として、専門学校、大学もしくは通信制の大学で福祉系科目を履修しなければならない。私は2年間だったので費用は実習代を含めると60万円位だったような。

実習期間は1ヶ月。就労支援を希望していたら、また人生が変わっていたかもと思うが、選んだ先は家から近いという理由で「重心」と言われる重度心身障害者施設。昼食も取れないほど忙しかった。実習後、同期生から「私もそのような貴重な経験をしたかった。いい経験をされましたね。」と労いの言葉を掛けられて嬉しかった。多分、このような経験は一生に一回もないからだ。

そして、合格率25%の国家資格社会福祉士に無事合格し、資格を取得した。しかし、残念ながらこの資格を活かしてはいない。いわゆるペーパードライバー状態だ。取得する年齢が遅かった。現場経験がなかった。

社会福祉士は福祉現場で働く人々がスキルアップとして、待遇改善に役に立つ武器でもある。この記事を閲覧して下さっている特に35歳(※)までの方にお伝えしたい。社会福祉にはいろんな分野がある。老老介護とも言われる高齢者分野、登校拒否やいじめなどを扱う児童分野、障害者分野、元犯罪者を支援する更生分野、生活保護分野、成年後見、DV、女性の自立の分野、里親を要請する家庭分野など、自分に合った分野が見つかるかも知れません。ぜひチャレンジしては如何でしょうか。

(※35歳は派遣社員の実質登録受付を参考にしたもので、やる気と体力があれば年齢は関係なく道は拓けます。私は来年還暦オワッタ(笑))