『隠れアスペルガーという才能』

主治医に「発達障害の傾向がある」と言われたことがきっかけで、グレーゾーンの発達障害、それもアスペルガー症候群について書かれた本がないかと探して見つけた本がこれです。タイトルにもある通り、この本では「隠れアスペルガー」という表現が使われています。

著者の吉濱さんは、ご自身のプロフィールに「発達障害カウンセラー」という肩書きを使っています。ご自身も発達障害の当事者ですが、「隠れアスペ」ではなく、幼少期からハッキリと診断されていた「真性アスペ」だそうです。医師というわけではないようなのですが、発達障害分野の医学的知識も豊富で、症例や論文にも造詣が深いという印象を受けました。

「隠れアスペ」であるが故に生きづらさを感じているかもしれないけど、「隠れアスペ」って普通の人にはない才能をたくさん持っているんだよ!といった話など、全体的にポジティブな内容だと感じました。

個人的には、過去に読んだ発達障害やパーソナリティ障害の本の中では一番当てはまることが多かったです。自分が「隠れアスペ」なんだと仮定し、その特性を本書を通して学ぶ。そうすると、健常者との差分がわかる。以前はそれがわからなかったので、相手の言動に過剰に反応したりムキになったりしていました。差分を自覚できるようになると、日常で人と接する時に気を付けるのは意外と難しくなく、最近はかなり生きやすくなりました(笑)

※ポッドキャスト「チームばいぽのユル~い話」の「#05:白楽の試行錯誤ヒストリー(後編)」より、収録内容の一部を修正・加筆して掲載。