独身一人暮らしでも双極性障害を改善できる7つのこと

このページをご覧になっているあなたは、きっと直近で、うつ病ではなく双極性障害(躁うつ病)と医師に伝えられたり、一人暮らしで双極性障害に罹っている方で気分の落ち込みに辟易としているのではないでしょうか。ここでは、私の経験をもとに”順調に”回復を進められる方法を提案します。

○私について

  • 幼少よりADHDの気があった(未治療)。いじめを受けた経験がある。
  • 貧困な家庭だった。その上、家庭環境が荒んでいて、暴力もあった。(自分に対するものではない)
  • 現在は一人暮らし、独身。(自家とは離れた県で暮らす。)
  • 会社や上司、業務に対するストレス・不満があり、それを放置、他の趣味などで紛らわせていた。その結果、以前から見られた胃痛が頻発化・吐き気・不眠となり、数度の欠勤を経て休職。精神が限界を来したあまりか、”自分の必要性”を疑い出した。私については、病前においても”自分の必要性”、”社会活動を営むことの空虚さ”が心に引っかかる病巣でした。
  • 実家とは極力関わりたくないので、発病後も連絡はせず。帰省もほぼなし。

【①あなたの気持ちについて理解しましょう】

まず、躁うつ病により現れる精神状態に、感応性が高まる”躁”と逆に何も感じなくなる”うつ”の2極の状態があります。躁とうつについては、テンションが高いとき、低いときと捉えてもらっても構いません。そして、その日の気分変動や感情の変化が重なることがあります。

例えば、現在”うつ”の状態であったとします。また、起きてすぐのときは特に何も感じないフラットよりな気分でした。しかし、その日起きていると段々と体が疲れていき、気分も低下します。(このときが最低に気持ち悪く気分が良くないとき)

このように精神状態や気分には波があります。回復を順調に進めていくためには、「自分がいま”躁”か”うつ”か、程度はどれ程」かについて意識することが大切です。加えて、”感情”については一層注意が必要です。過度な感情の振れは、ピークを迎えた後にマイナス方向に向かっていきます。

友人と遊ぶなど楽しい出来事があったとします。そして、楽しい時間は終わりを告げるのですが、友人と別れて一人になったとき、ふと虚しさが込み上げてくることはありませんか?まるでさっきまでとは別人のように感情が無になるのです。もちろん、親しい人と触れ合ったり、会話を交わしたりすることは、双極性障害の治療にはプラスに働きます。ただ、はっちゃけすぎると「疲れて」しまうのです。(怒ったりイライラしたりするのもよくありません)

【②睡眠だけは絶対に取る】

一般的な睡眠の重要性については何十年も前から説かれていることです。最近では、うつ病や双極性障害(躁うつ病)には睡眠不足が一因であると言われています。睡眠不足により、正常にセロトニンが分泌されなくなり、疲労感やストレス、イライラ感、向上心の低下などに見舞われるほか、セロトニンによる睡眠を促す作用が正常に働かなくなり、不眠になったりします。つまり、睡眠不足はうつ病の諸悪の根源を無視する行為とも言えます。不眠の場合は、寝れないからといって活動しないこと!悪い癖になります。近年では目をつぶっているだけでは睡眠の補完にはならないと聞きますが、それでもだらっと無心でいましょう。

<一人暮らしで生活リズムを維持するには?>

  • アラームを積極的に使う(アラームだけ止める・無視することもあり得るので、動かなければ止められない、うるさいものにする工夫があればなお良し。例:朝のアラーム、昼食準備のアラーム、散歩のアラーム、夕食のアラーム、シャワーのアラームなど。アラームには、複数設定ができるスマートスピーカーが手軽。不要になったスマートフォンでも可。)
  • 何でもいいから食事を摂る(バナナ、りんごなどフルーツ、シリアルやカロリーバー、スープなど)
  • 寝る前2時間は極力食べない!(どうしてものときは脂質・糖質・食物繊維を控え、消化に良いもののみ)
  • 家事は極力減らす(最近では家事支援サービスもあります。部屋の掃除は月1回でもなんとかなる!)
  • 外出は定期的に!(療養中半年になれば、精神障害者保健福祉手帳の申請が可能で、公共交通機関やタクシーの割引を受けられます)
  • 薬はちゃんと飲む!(種類や錠数が多かったり、タイミングにより種類が変わったりする場合は、その度に飲む薬をちゃんとまとめておいてください。治療初期の場合かつ躁状態のときには、その場で何をどれだけ数えて飲む、わからなかったら調べてから飲むということができず、パニックに陥ることがあります。短絡的になり、ODをする可能性があります。私はやりかけました。)
  • サプリメントなどを活用する(うつ病にかかると家事が行き届かなくなりがちです。栄養が偏りがちになるかもしれません。また、自律神経を整える作用のある栄養素もあります。しかし、カルシウムやマグネシウム、利尿作用があるものなどは、薬との飲み合わせに気をつける必要があります。)

【③処方薬は言われた通り守る】

よく精神科医は、「i.〇〇で低学歴だから~」とか、「ii.薬は多く出すほど儲かるから~」とか、「iii.ちゃんと相手してくれないから信頼できない~」などといった理由で不信感を持たれることが多々あります。本当に信頼できないならセカンドオピニオンにかかり、あなたにあった病院を見つけるべきです。セカンドオピニオンの相談ダイヤルなどもあります。実際にかかる前には、お薬手帳(処方履歴)、通院歴(何を話したか)、治療期間中の病状をまとめておきましょう。(※セカンドオピニオンの紹介状は無くても構いません。)それが最も早く治療を進める方法です。断薬や通院を辞めるのは何の得もありません。むしろ病状が悪化するだけです。

  1. 例え、担当医が低学歴だとして、未経験な訳ではないです。そもそも、学歴が良くないからといってその人の能力は絶対に低いとは言えませんよね。ちなみに、初診では双極性障害(躁うつ病)の診断が出にくく、「抑うつ状態」と指定されることが多いです。後々に、薬の適用が利かないことで判別されがちです。誤診ではありません。
  2. また、近年では複数種の薬を出せば出すほど、儲からなくなるように国として仕組みづくりをしています。なので、そういった理由で多剤処方はしません。さらに抗精神薬(主に睡眠薬)は、違法な転売や不正利用防止などもあり、年々精神科で取り扱える種類が減少しています。(古くて安定性に問題があるものが規制されていますが、安全な新薬も年々投入されています。)強力なものや血中濃度の危険域が作用域と近いものについては、入院患者のみに処方、採血による定期モニタリングを実施しています。
  3. あなたが担当医を快く思っていない場合、それを伝えることはできませんか?口頭はだめでも、手紙にして直接渡す、または看護師さんなどスタッフ伝いに渡してもらうなど、話し合って解決するならそれが最善です。

処方薬には、a.徐々に服用量を上げていくもの、b.血中濃度を制限しているもの、c.作用期間を狙っているものがあります。

  1. 体に浸透させるため、体の耐性に合わせて徐々に慣らしていくものです。これが、急増すれば「中毒状態」、急減すれば「依存反応」が現れ、身体に悪影響を及ぼします。
  2. 血中濃度の危険域(身体に危険を及ぼす。中毒域ともいう)が作用域(薬の効果が得られる濃度(用量))と近いものや薬剤が血中で高濃度が保たれていると身体に悪影響を及ぼすものです。古い薬は危険域が作用域に近かったりする。水分が不足した状態では、血中濃度が高くなる恐れがあります。(人体の6割ほどは水分で構成されています。体重60kgの方では約36Lですが、単純計算でも脱水で1-3L減ると2.86-9.09%も血中濃度が増加することになります。できる限り水分をよく摂り、アルコールなど利尿作用のある物質の摂取はなるべく避けましょう。そもそもうつ病に対して、アルコールが有利に働くことはほぼありません。)躁うつ病においては、リーマス(炭酸リチウム)やビプレッソ(クエチアピンフマル酸塩)などが血中濃度に配慮が必要です。(他にもかなり古い睡眠薬)
  3. 睡眠薬や覚醒薬及び眠気を催す抗うつ薬に多く見られます。これは、日中に眠気がおきる、夜中に覚醒することがないように作用を催す時間帯を調整するためです。

当然、人によっては合う合わないもあります。それを医師のせいにせず、まずはきちんと相談してオーダーを変えてもらいましょう。私も睡眠に難があり、何度も処方を変えてもらいました。

【④医者とうまく向き合うには?】~私の経験談、セカンドオピニオンと投薬による副作用が起きたことについて~

ちなみに、私は2件ほどセカンドオピニオンの相談をしました。(が、初診の医師が一番良いと結論づけました。)ここは、気になる方がいると思うので、脱線気味ですが説明します。

初診の医師は、開業医で一人で診ていました。少し堅い印象で融通が利かないイメージで嫌気が差していました。それに加え、治療薬のラミクタール(ラモトリギン)の副作用(たまに症状が出る人がいます)で、始めは小さな発疹だけだったのですが、そのまま投薬(増量)を続けることにより、若干痒みを伴う蕁麻疹や高熱状態が1週間ほど続くようになりました。

その頃は、コロナの影響が拡大し始めで、ちょうど医療機関での検温が始まった時期でした。高熱に曝されつらいなか、投薬の副作用と疑い担当医へかかろうとしたのですが、タイミング悪く発熱してしまったため、来院を拒否されました。たしかに小さなクリニックですので、コロナが蔓延してしまえば大変です。ただ、副作用については数週間前に相談をしていました。にも拘らず、取り合って貰えなかったのはなんだか悲しい気持ちになりました。

結局、近所の内科医に紹介状を貰い、センター病院で診てもらうことになりました。CTで肺炎か診てもらったりしましたが、診断は薬剤性アレルギーでステロイド剤を服用し治療、その後2ヶ月間通院しました。この事件があってから、処方薬は当然変えることになりましたが、会社のほうからもセカンドオピニオンを促され、別の医師の意見を仰ぐことになりました。

1人目のセカンドオピニオンにかかりました。クリニックの医師で、今までの処方はほぼ否定してきました。最近では、薬に対して不安のある患者さんが増えているからか、このような半ば強引な減薬療法をパフォーマンスとしている病院もあると聞きました。(睡眠薬などはいらない、いまの漢方は合ってない。主治療薬はリーマスだけで良いなど。)勿論、うつ病(双極性障害)の治療には薬だけに頼るのもよくありませんが。

また、その方はズカズカと入り込んでくるタイプで、いきなり自分の生育環境などを聞かれ、私としてはしんどかったです。当時、うつに入ったときが、とても辛くて悩んでいたのですが、その対処法を訊ねると、「何もしないんです」と言われ、この意味がわからなかった私は、何言ってるんだふざけるなと怒りすら覚えました。(診断書や治療内容など詳細な説明がなかったので、粗い診察になったのかもしれませんが。)

そのため、不信感が拭えず、2人目のセカンド?オピニオンを聞きに行くことになります。そこも複数人の医師が所属するクリニックでした。ここでは、現在の投薬は問題ない、とのことでした。先のセカンドオピニオンが信じられなかった私は逆に安心しました(笑) そもそも、治療が始まって数ヶ月しか経っていないのに正しいかどうかなんて結果がでない、とりあえずそのまま続けてみてくださいということでした。

実際、”うつ”と”躁”の状態に周期性があるので、これを経過してみないと効果は実感できないのでしょう。本当はあまり覚えていないのですが、優しい雰囲気で、親身になって貰えた印象があります。何かあったら、ここに行こうとまで決めていました。

なのですが、初診の医師のもとでそのまま治療を続けました。私がネットでたびたび収集した治療薬の情報や病気に関することを質問するのですが、逐一答えて貰えたり、公的支援を受けたりする相談も乗ってくださるので、少々情が湧いてきたようです。なかなか聞かん坊で融通が利かない堅い人というイメージでしたが、その逆に患者さん一人ひとりに親身に向き合ってくれていたんだな、と。なんだかんだ言って、要するにものは捉えようってことですかね(笑)

あと、病院は「予約制」より「当日受付制」のほうがいいかもしれません。(というよりも診療時間を定められていないところ。)込み入った話があっても時間いっぱいで中断になるので、医師もそうですが、自身も時間を意識して相談をするよう急かされます。それに加え、予約した時間にきっちり行かなければならないというのは心の重荷であったりします。複数人の医師がいるクリニックでは、事前に受付に現在の担当医が合わないことを伝えれば、別の医師に診てもらえると思います。

【⑤絶望的にしんどい、虚無感に襲われるときは?】

まず、どれくらいしんどさがあるかに拠ります。

  1. なんだか疲れていて、気が回らないとき
  2. とても疲れていて、その場から動くことができないとき
  3. なんだか虚しい気持ちで、自分を否定するようになるとき
  4. とても疲れていて、何もする気力がなく、さらに虚無感・うつの感情に苛まれている(最悪の場合、希死念慮がある)とき

どれも基本的な処置は、その場(より落ち着ける場所があればその場所)で、全身の力を抜いて四肢をだらっとさせます。それから、特に動くこともせず、同じところのあたりをゆったりと眺めます。若しくは、目を瞑り、あらゆる情報を遮断・制限します。

これがよく言われている、「なにもしない」をするということです。体制はうつ伏せでも構いません。一番自分の身体が重力に委ねられる体制がベストです。(ハンモック・大きなビーズクッションはおすすめできます。)

この「なにもしない」は、躁状態により、過活動→体力切れとなった際にも(2)の状態に切り替わりますので、覚えておくと良いです。私個人的には、双極性障害というのは、何かしらのインプットを受けると、情報が溢れ出して思考が止まらないといった頭の中の情報過多が疲弊の一因だと考えています。

例えば、うつが酷く、お笑い番組が見られない(情報を受け付けない)場合は、漫才というのが高度な情報の塊であるから、疲れている脳は情報の受け付けを拒否している。逆に、お笑い番組などで、笑いが起きる→楽しくなる、ようなことがあれば、番組の視聴後に気分の急低下が起こります。自分がいま(1日)を通して、頭の中で処理を行った情報の多さ、重たさなどを理解できれば、適宜に休憩を挟むことができます。

(※数分間の内容という密度の濃い情報(綿密に練られた笑いの世界観、芸風、リズムよく進んでいくネタ(聞き逃がせばわからなくなってしまう))からオチや笑いどころの解釈して理解する(楽しむ)というとても高度な行為。)

ただ、(3)(4)では注意が必要です。「なにもしない」なんかやってる余裕もないと思います。そんなときは、相談窓口にダイヤルしましょう。(辛かったら何も話さなくてもいいです!)いくつもの公的機関で、相談ダイヤルがあります。好きなものを選んで構いませんが、激しい希死念慮がある場合はいのちの電話などのダイヤルを選ぶことをおすすめします。また、通話が苦手な場合、SNSやチャットでの相談窓口もあります。

<私のなかでの最も酷かったうつと対処>

私も、(4)のような強い希死念慮に見舞われたことがあります。その頃は、長く変わらないような投薬治療を受けていたころです。抗精神薬や睡眠薬の影響が強く、1日16時間も眠っていました。夕方に起きては過眠に対して自責的な感情になり、起き上がっても残された時間は多くなく、何もできることはない。こんな毎日が続くなら、生きている意味が分からないと思うようになりました。

その日も夕方に起きたのですが、意外とリビングまで動く余裕がありました。たぶん、スマホを触っていました。ですが、急に冷静になるというか無情になり、「自分には(能力も価値も存在理由も)何もない」という思考に囚われました。他に誇るべきことや他より優れていること、それらが何もないのです。頭の中にはそうした不安感や悲しさ、虚無感でぐちゃぐちゃになっていて、とても息苦しかったです。全身を這いずるようにして悪感情に悶えながらベッドに向かった記憶があります。

それでも気持ちは一向に収まらず辛く苦しいまま。頭の中ではもう「死ぬしかないじゃない」というふうに結論が向くようになっていました。そこからは、今すぐ死にたいから「ここから〇〇へ行って、~~をして、そして……」と自分の中では何の抵抗もなく、自分が自殺することが決まっていくのです。(死へのハードルが下がる。)(よくうつ病は甘えと言われがちですが、この感覚を知ってしまってからは、より世間様がたにはその考えを是非にでも改めて貰いたいと思うようになりました。)

こうして、自然に死への道筋がいくつも立てられ、その比較検討までもが行われていくのですが、自分の中に残っていたわずかな客観として、いまの状態は明らかにおかしい、いままでとは本気度が違うという感覚がありました。これ以上、何もせずにいまのままで居たら本当に死ぬなというところで一瞬だけ、理性が踏み留まらせてくれました。時間を与えてくれました。

そこで、どうせ死ぬ前だからと初めて相談ダイヤルに掛ける気になりました。その窓口は、自殺志願者や精神疾患の人のためのダイヤルで、コールして程なく繋がりました。若そうな女性のかたでした。

ただ、こういう相談ダイヤルは相手から「どうされました?」と聞かれるものと思っていたため、無言の状態が暫く続いていました。その間ずっと、スピーカーの向こう側ではお姉さんの優しい息遣いが聞こえていました。そういう性癖持ちという訳ではないのですが、ぼーっと聞いているととても落ち着きました。

どうやら、自分から事情を話さないといけないことがわかったので、何をどこから話そうと考えていました。「とてもつらい」「くるしい」「死にたい」とありふれたようなことしか言えてなかったかもしれません。ですが、お姉さんは話を「聞く」というか、終始落ち着いていて「受け入れてくれる」という印象を受けたかもしれません。それがほんのり嬉しくて、ちょっと思い込みすぎだったのかなと一旦落ち着くことができました。(本当は泣きそうなくらいだったんですけど泣かなかったです(笑))

少しだけ、気持ちが整理できたので、お礼を行って通話を切りました。(これだけで思い留まれるとは思わなかったので驚きでした。)希死念慮は収まったものの、疲労感は依然としてありました。そのままベッドに身を委ねて、1時間ほどだらっと「なにもしない」をしました。

最近では、相談ダイヤルの担当者が特段有資格者な訳ではない、半ば冗談感覚で無責任、安易な思いつきで正しいとは言えない意見をする、といった方を見かけるとも聞きます。ですので、そういったかたと当たらなくてよかったなとは思いました。(むしろ、とても助かりました。)独身や相談相手がいない、夜中でも相談したいというかたにおすすめします。一度、試してみて合うようだったら、次回も聞いてもらうようにしたら良いと思います。(その場合、名前など特定できる情報を聞いておいてください。)

【⑥うつの気分をなるべく抑える方法】

  • 人と話す(感情のやりとりをする)
  • 人やペットと触れ合う(幸せホルモンと言われるオキシトシンが分泌される)
  • 自分の気持ちを整理して吐き出す(辛い記憶を思い出すと余計に悪化するので注意)
  • 軽い運動をする(散歩など有酸素運動をおすすめ)
  • 美味しいものを食べる
  • カラオケなど大声を出す
  • 日光を浴びる
  • 熱くない風呂にゆっくり浸かる
  • 十分に睡眠を取る

【⑦躁状態になったらどうする?】

これは基本的に対処が難しいです。猛々しく走る蒸気機関車を人力で引っ張って止めるようなもの。躁状態との自覚があるだけマシです。しかし、スタミナ切れに陥ることが何よりも恐いです。

多弁・多動になっているときは、無自覚的でスタミナや行動をセーブすることは自力では困難。多弁の場合においては、発言が威圧・攻撃的になっている場合もあります。意図せぬ関係の不和や事件を避けるためにも、自分の知識(常識)を押し付けようとしない、ムカついたからと言って言い返さない、ことを心がけてください。

自分がいま躁状態だと自覚しているときは、適度に休憩を挟む仕組みづくりを行ってください。(例えば、1時間に一回休憩、思いついたことはすぐに実行せずにメモに残す、その後にタスクの優先度を仕分ける、など。)

私もまだ、自宅療養を継続中ですが、躁状態において活動が激しくなり、脳や身体がスタミナ切れを起こすことがあります。(特に自分は夜型だからといって夕方から夜中にかけて活動しがちです。)実際にどういう現象かというと、自分の興味のある作業・好きな作業については、みなさんも寝食惜しまず続けたりすることがありませんか?そういったときに下記のようなスタミナが不足気味な状態にあることを見逃してしまい、バッテリー切れとなるのです。

  • 若干の疲労の自覚があるが、作業をこなせる余力はあると見誤る場合
  • 疲労についての意識は無く、長時間作業を続けている場合
  • 病気の影響も無く日頃から自然な眠気があり、睡眠が不足がちな状態で後に強い眠気に襲われる場合

また、実際にスタミナ切れを起こすとどうなるかというと、「躁の状態から急激に気分低下・倦怠感・無気力を催し、何もできなく」なります。寝る前に、シャワーを浴びたり、洗顔・歯磨きをする力さえ消耗しきっているのです。そのまま力尽きたかのようにくたばります。

対処としては、「作業時間を分割・管理する」、「休憩の際は離席して作業の再継続に手間を設ける」、「過眠でも良いからとにかく寝る」といった処置で乗り切ってください。

以上、雑多になり分量が多くなりましたが、私の考える双極性障害への治療的向き合い方でした。これで、皆さんが睡眠(休息)だけでも十分配慮いただけるようになりましたら本望です。ご一読いただき、感謝いたします。