怒りをコントロールするための内省的考察

この問題はストレスマネジメントの領域というメンタルだけの側面だけでなく、人生そのもののリスクコントロールを含んだ日常的に取り組む問題でもあると認識しています。それは、誰でもが突発的に起こるものであり、一時的なイライラや怒りの感情が時として常識を遥かに超えた異常な行動を生む可能性があると示唆しているからです。

身近な例では、車の煽り運転によって被害者が死亡した事件があります。加害者が被害者に注意された時の感情は、加害者本人が元々持っていた「切れやすい」性格が原因だったのでしょうか?それとも被害者の加害者に対する注意の仕方や態度など、話し方や感情の伝え方等に問題があったのでしょうか?真相は判らずじまいですが、ただ、双方に言い分はあったにせよ、怒りのコントロールを日常的に身に付けておけば、突発的な出来事に対しても悲惨な結果は発生していなかったとも言えます。

それでは、どのようにすれば、イライラ、癇癪、怒りをコントロールできるのでしょうか?まず、イライラする原因は?どんな時、どんな相手、どんな場面でイライラや癇癪が発生するのか。自分は相手に何を期待しているのか。自分の思っているように動いてくれると信じているのか。上司だから自分の気持ちを理解してくれる。上司だから我慢し今の気持ちは伝えられない迷惑がかかる。部下だから言うことを聞くのが当然。先輩だから、後輩だから、友人だから、両親だから、顔見知りだから、赤の他人だから等、その時に接するパワーバランスによって、対応を変えていないでしょうか。

自分より上の立場の人物には怒りを感じない、もしくは我慢できるが、自分より立場が下の人物には強気に対応して屈服させようとしていないか。再度、イライラする問題の本質を特定することが重要ではないでしょうか。相手の立場よって態度が変わるのは人間としての当然な行動であり、その対応は賢い損得の生き方に結び付きます。しかし、損得だけでなく感情の好き嫌いでイライラが発生することもあるでしょう。その時の行動が必然的に相手に反省を促すだけでなく想定外の反撃攻勢に遭うことも予測されます。一時的な感情が不運な人生を招くことにもなります。少なくとも損をしない生き方を求めなればなりません。